変革を目指す組織に伴走していく「ファシリテーション」。そのプロセスを具体的に学ぶ場として、「第1期組織進化プロセスファシリテーター養成講座」が実施されました。半年間に渡って参加された受講者の声をご紹介します。
〜うまくいかなかった理由が、見えてきた〜
保 直延氏 城山観光株式会社(城山ホテル鹿児島)常務取締役 総支配人
地域に密着したホテルの経営に携わり、長年にわたって観光業界を支えてきた。人と組織の変容に課題を感じていたが、講座を通じて得た学びを活かそうと試行錯誤を続けている。
―――講座を振り返って、感じていることをお聞かせください。
自分が今まで学んできた世界とはまったく異なる組織進化・組織開発の話に、毎回驚きと感動の連続でした。まさに「目から鱗」です。特に驚いたのは、「変える側・変えられる側」の組織構造を作ってしまうとうまくいかない、という考え方でした。講座内容の後半で「組織変革のチェンジマネジメント」について学んだ際に、「そういうことだったのか」とロジカルに理解が進みましたね。今までの自分は、組織変革における「変える側」だったんです。だから、組織の中で空回りしていたのだと腑におち、組織の見方が改めて変わりました。
―――学びの旅を経て、ご自身に何か変化はありましたか?
ファシリテーターとしてどこまで成長できたのか…それは正直、分かりません。ただ、多面的なモノの見方は深まりました。例えば現在、2018年より5ヶ年計画でホテル施設のリニューアルオープンを進めています。それに伴って「ホテルの新たなブランドコンセプトを立ち上げよう」との動きがありました。
私たちの手がけているホテルは森の中にあります。そこで、コンセプトを「美しき森、美しき時。」に一新。そのコンセプトを社内に浸透させるための、事前ミーティングが行なわれたんです。そこでの進め方がまさに、トップダウン式でした。組織の中に「変える側・変えられる側」の思考パターンが色濃くあるということ。多くのメンバーが「変える側」に回ってしまい、「変えられる側」の立場を感じる想像力が欠けていました。そして私自身の中にも、やはり同じような思考があり、まさに組織のフラクタル構造がありました。
それに気がついたとき、「浸透させる側・させられる側」の構図のまま進もうとする議論を一旦ストップさせ、本質的な目的に立ち返ろうと声を上げたんです。その後も、みんなで議論し「みんなで創る変化」を起こっている最中にいます。
こんなふうに会社の変化の流れを変えられるようになったのも、講座で得たことが大きかったと思います。今後も、組織の中でどのように学びを広げていくかを探りながら、チャレンジを続けていきたいです。
【ToBeingsからのメッセージ】
講座で気づいたことを真摯に受け取って、自組織や社長との関係性の中で試し、実践されている姿が印象的でした。そうやって着実に歩み続ける姿に、組織への愛と経営者としての覚悟を感じました。「もっと成長したい」と願うパワフルな保さんの気持ち自体が、変革の源につながる貴重なエンジンとなっているように見えます。会社の経営にとどまらず、地域の未来を担っていくリーダーとしてこれからのご活躍が非常に楽しみです。
Direction 丹羽 妙(弊社広報)
Writing 林 美夢 (ライター)