大和ハウス工業株式会社
本社 経営管理本部 人財・組織開発部長 菊岡大輔さん
本社 経営管理本部 人事部長 河崎紀成さん
本社 経営管理本部 Well-being推進室 DE&I推進グループ 池田昇平さん
大和エネルギー株式会社
管理本部 次長 兼 総務人事グループ グループ長 中川英彦さん
大和ハウスグループは、日本を代表する「人・街・暮らしの価値共創グループ」である。住宅事業・賃貸住宅事業・流通店舗事業・建築事業・マンション事業・環境エネルギー事業・海外事業を幅広く手掛けており、連結従業員数は48,483人(2024年3月31日)、連結売上高は5,202,919百万円(2024年3月期)に上る。
2022年、大和ハウスグループは新たなパーパス“将来の夢”を策定した。「生きる歓びを、未来の景色に。」というものだ。この新パーパスが象徴するように、いま大和ハウスグループはビジネス・組織変革の真っただ中にある。その取り組みの1つが、大和ハウス工業が2020年12月から始めた「1on1を活用した組織風土変革プロジェクト」だ。ToBeingsをパートナーに選び、このプロジェクトを推進した菊岡大輔さん、河崎紀成さん、中川英彦さん、池田昇平さんにお話を伺った。
これからは上意下達のカルチャーだけでは難しいと感じていた
――なぜ「1on1を活用した組織風土変革プロジェクト」を始めようと思ったのですか?
菊岡:私たち大和ハウスは、伝統的に上意下達、トップダウンのカルチャーが根強い会社です。それはいまも私たちの強みですが、一方で、これからは上意下達のカルチャーだけで押し通すのは難しいとも考えています。私が橋本さんと出逢ったのは2017年ですが、当時からこの問題意識を抱えており、橋本さんに相談したことを記憶しています。
その後、2020年にコロナ禍に見舞われて、私たちも例に漏れず、7~8割の社員がテレワークに移行しました。そうしたら、経営から「テレワーク下で、上司は部下を適正に評価できるのか」と問われました。現場からも、「上司は自分の仕事ぶりや悩みなどを把握できているのだろうか」といった不安の声が多く上がってきました。また当時から、私たちは次世代経営者育成を課題の1つとして抱えていました。さらに、私たちは働き方改革のなかで、職場の信頼関係向上を目標の1つに据えていました。
中川:一方で、私も含めた多くのマネジャーも、コロナ禍のテレワークで目の前から部下が消えたことに困惑していました。部下だけでなく上司側も、部下との日常的なコミュニケーションが減って、部下をどう評価したらよいのか、部下の状況や悩みをどう把握したらよいのか困っていたのです。
菊岡:そこで橋本さんに再び相談したところ、これらの課題を同時に解決し、並行してトップダウンカルチャーから脱却するには、制度や研修を用意すること以上に、上司と部下の日々の会話を変えていくことが最も大事ではないか、と助言を受けました。そして、人事が上司・部下の日々の会話の質にアクセスできる数少ない施策として、1on1の導入がよいのではないかという結論に達したのです。確かに、上司が部下のために話す1on1の時間を設ければ、評価への不満やコミュニケーション上の不安を多少解消できるかもしれない。それ以上に、トップダウンの組織風土を変革していけるかもしれない。私たちはそう考えて、ToBeingsさんとタッグを組んでそのテーマに取り組むことを決めました。それが「1on1を活用した組織風土変革プロジェクト」の始まりです。
1on1で上司・部下間の「アホ・ボケ・カスの裏側にあった愛情」を取り戻す
――「1on1を活用した組織風土変革プロジェクト」は、2020年12月にスタートしました。フェーズ1は、まず東京本店の3つの課、30人ほどに1on1を試してもらう「簡易トライアル」でした。人事部長の河崎さんにはスタート時点からこのプロジェクトのリーダーという重責を担っていただきましたが、実際のところはいかがでしたか?
河崎:1on1が必要だということは、人事の目線では確かにそうだと思っていました。ただ、橋本さんが以前「対話の場に、役割としての声だけでなく、リアルな個人としての声を出すことで、現場に普及するヒントも見えてくる」と言っていたので、あえて個人としての気持ちも正直に言います。実際に1on1をやる側の気持ちになると、うっとうしいと感じている私がいました。ちょうど他の仕事が大変な時期で、少しの時間も無駄にできなかったからです。他の多くの現場のマネージャーも、私と同じようにそんな施策が落ちてきたら、「1on1などしている暇はない」と思ったと思います。
ところが実際にやっているうちに、私も周囲も、1on1は良いものだと徐々にわかってきました。部下とのコミュニケーションは、時間がかかるけれど欠かせないこと、間違いなくやったほうが良いことだと身に染みてきたからです。たとえば先日も、ある人事社員と1on1をしたのですが、相手は私が驚くほど話して、最後に「このような対話の機会を設けてもらえるのですね」と感謝してくれました。このように、部下には「上司に相談したいニーズ」がかなり多くあるのです。それなら、上司はきちんと時間をかけて部下とコミュニケーションを取ったほうがよいに決まっています。私たちには、とりあえず一度経験して、1on1の良さを実感するプロセスが必要だったのです。そのことを一人ひとりに自ら経験してもらうために、従来のようにやるべき施策としてドンと上から落とすのは止めました。1on1の魅力を伝え、「体験してみませんか?」というトーンで進めることにしたのです。
――プロジェクトでは、従来型マネジメントを自嘲気味に表現する言葉として「アホ・ボケ・カス」という言葉がよく使われましたが、フェーズ1の振り返りで対話するなかで、「アホ・ボケ・カスの裏側にあった愛情」というキーワードが現れてきて、それに皆が共感したのが印象的でした。このキーワードが1on1の普及や大和ハウスらしい組織風土改革を起こしていく上での現場の大事な深層心理だったと思います。
(※このキーワードが出てきたときの映像がこちら。)
御社だけでなく、多くの日本企業に共通する問題ですが、ハラスメントやコンプライアンスの問題があり、従業員の多様性が増したこともあって、従来型のマネジメントスタイルは通用しなくなり、時代遅れになりました。マネジャーは「アホ・ボケ・カス」のような強い言葉を一切使えなくなったのです。ところが、この現場トライアルを通じて、そのような強い言葉の裏には、上司の愛情も多く含まれていたことが明らかになりました。ハラスメント防止やコンプライアンス遵守は大事ですが、そのために「アホ・ボケ・カス」をやめた結果、私たちは人間同士の深い関わりや愛情を失っていたのです。では、どうしたら上司と部下が心を交わすことができるのか。私たちはその解を持ち合わせていませんでした。
言い換えれば、現場の皆さんの心の深層には、「上司と部下がお互いに愛情を持って深く関わり合いたい」という願いがあったわけです。しかしだからといって、従来型マネジメントに戻ることはできません。だからこそ、皆さんは1on1に可能性を感じたわけです。私は「アホ・ボケ・カスの裏側にあった愛情」というキーワードを通じて、皆さんの深層の願いに触れたときには、ゾクッとしました。
菊岡:私も、「アホ・ボケ・カスの裏側にあった愛情」はまさにそのとおりだと思います。上司が部下を叱りにくくなったことで、上司・部下の関わりが薄まり、両者が腹を割ってホンネで話す時間が失われていたのです。もちろん「アホ・ボケ・カス」は論外ですが、言葉遣いや態度に気をつけさえすれば、上司はときに部下を熱く叱ってよいはずです。ところが、若手マネジャーを中心として、叱ること自体を避ける傾向が強まってきています。このままではマズイ、上司・部下の関わり合いを中心とした職場の結束力が落ちてしまう、と思いました。1on1を広めていくうちに、1on1はその問題を解決する効果があることが見えてきました。大和ハウスにとっての1on1の意味が、徐々に解像度高く浮かび上がってきたのです。
上からドンと落とすのではなく、支社・支店トップの腹落ち感を醸成しながら進めたのがよかった
――フェーズ1はToBeingsが丁寧に関わり、チームの組織開発をしながら1on1の体験や実践を試行しました。その結果、現場の一人ひとりが1on1の可能性を感じられるようになり、先ほどの動画にあったような非常に良い変化が起きました。離職を減らせるのではないか、部下のメンタルヘルスをチェックできるのではないか、といった可能性も見えてきました。一方で、私たちが全社にそこまで丁寧に関わることはできません。次のフェーズでは、私たちの関わりが薄まる中で、どうやって全社に広めていくかが検証のポイントでした。
そこで2021年4月からの「フェーズ2:支社トライアル」では、ToBeingsは最小限の関わりに留めて、倉敷支店・北信越支社(当時)の2拠点の支社長・担当者とタッグを組んで実験しました。私たちは、このフェーズ2を通じて、支社・支店のトップと担当者の腹落ちや関係づくりが大事だということを確認できました。その上で、2021年9月から「フェーズ3:全社導入ver.1」を実施したのです。フェーズ3からは、人財・組織開発部の中川さんにも加わってもらい一緒に検討を進めました。役割分担を明確にするのではなく、このように部門を超えて柔軟にコラボレーションしたのも、これまでにない取り組みだったとお聞きしました。
中川:そのとおりです。このプロジェクトは、人事部、人財・組織開発部、現場が三位一体で進めるという意味でも、私たちにとって新しい取り組みでした。私はこのタイミングからプロジェクトに参加したのですが、プロジェクトチームがみんな楽しそうに対話や活動をしていることに驚きました。
菊岡:私たちは、フェーズ3を始めるにあたって、全国事業所の支社長・支店長、総務責任者、推進リーダーたちを集めて「オンライン1on1説明会+ワークショップ」を開催しました。フェーズ2での経験から、支社・支店のトップや実務担当者の腹落ちや関係づくりが欠かせないとわかったからです。特に、支社長・支店長が職場内でオープンに対話しない限り、1on1が支社・支店に広まることなどありえませんでした。彼らの理解を得ることが何よりも大切だったのです。また、各事業所の総務責任者や推進リーダーに職場に広める役目を担ってもらうことも重要でした。この説明会+ワークショップが、プロジェクト全体の大きなポイントだったと感じています。
中川:支社長・支店長には普段いかめしい人も多いのですが、1on1ワークショップは意外なほど盛り上がりました。1on1の部下側を体験して、「私の話も誰かに聞いてもらいたい」とホンネを漏らす支社長・支店長もいたほどです。支社長・支店長は、総じて1on1の良さや必要性をよく理解してくれました。
河崎:ただ一方で、支社長・支店長は、自分の支社・支店に戻った途端に、強いリーダーを演じなければならない、という現実もあります。ほとんどの支社長・支店長は、今回のような場を設ければ、自ら望んで自己開示しますが、職場に戻ると立場がそれを許さない面もあるわけです。この両面性が鍵であることが見えた場でもありました。1on1の潜在的なニーズは間違いなくあるけれど、反対に1on1がまったく広まらず、元通りになってしまう危険性もあることが判明したのです。その意味でも有意義な場でした。
菊岡:だからこそ、上からドンと落とすのではなく、支社・支店のトップに1on1を体験してもらい、腹落ち感を醸成しながら進めたのがよかったのだと思います。これは大和ハウスにとって前例のない取り組み方でした。
――説明会+ワークショップ以降は、グラデーションがありながらも、次第に1on1が広まっていったそうですね。
菊岡:その点は、大和ハウスの社風の良いところが出たと思います。現場にとってプラスになると感じたら、「やってみようじゃないか!」と気持ちよく引き受けて、自走してくれる社員が多いのです。実際に、ワークショップで「1on1は良い」と体感し、率先して広めてくれた支社長・支店長や総務責任者、若手課長がたくさんいました。
河崎:とはいえ、上司と部下がお互いに自己開示しながらコミュニケーションを取るようなカルチャーは、それまでの大和ハウスにはほとんどありませんでした。ですから、1on1説明会+ワークショップを仕切り、マニュアルなどを用意してくれたToBeingsの力は大きかったと思います。支社長・支店長たちをうまく誘導してもらえました。
「以前なら考えられなかった動画」の総再生回数が9000回を超えた
――以上と同時並行で「動画チーム」が立ち上がったことも、大きなポイントの1つでした。このチームはフェーズ1の直後に、トライアルチームが中心となって立ち上がりました。1on1を面白いと感じた現場の数人とToBeingsのメンバーが対話するうちに、どんどん盛り上がって自己組織的に誕生したチームです。その後、このチームは、1on1を全社に広めるための本格的な動画コンテンツ制作に取り組むことを決めました。動画制作のプロにも関わってもらい、最終的には4本の社内広報動画を制作しました。私はこの動画チームの動きがすばらしかったと思うのですが、皆さんはどう思いましたか?
河崎:動画チームには驚きました。このように現場からボトムアップでチームが立ち上がるなんて、思ってもみなかったからです。大和ハウスでは稀有なことなのです。私はこの現象を、現場の皆さんが「会社を変えたい」という潜在的な意識を強く秘めている証拠ととらえています。また、動画チームは人事部と現場が協力して動いた点もプラスでした。たとえば、動画チームの中心で活躍した武田伸二さんは、「人事とこのような形で接点を持てたことも嬉しかった」と喜んでいました。今後も、適切な形で現場との協力体制を築いていけたらと思っています。
池田:彼らが制作した4本の動画は、いまも社内イントラネットにアップされており、社員はいつでも見ることができます。総再生回数が9000回を超える人気コンテンツです。
実は、大和ハウスは、こういう遊び心のある動画をつくるタイプの会社ではありません。以前なら、社内でこんな動画を制作するようなことは、まったく考えられませんでした。正直なところ、私は社内イントラに掲載を許されたこと自体、いまだに驚いているのです。この動画が、社内でこれだけの人気を集め、成果を上げたのは快挙です。多くの人が、組織風土の変化を潜在的に求めている証拠かもしれません。動画チームのメンバーたちが、社内に1on1を広められると確信して制作したことが、良い結果に結びついたのだと思います。動画チームが本気だったから、周囲が協力してくれて、最終的にうまくいったのです。
菊岡:動画チームに関しては、私も迷いがありました。大和ハウスの社風を考えると、たとえば導入状況や実践率をランキングにして全社に広報し、各支社・支店に競ってもらったほうが、間違いなく早く広まるのです。しかし、それは従来型のトップダウンの手法です。今回は、現場主体のボトムアップの手法にこだわりたいと思い、動画チームを後押ししました。その方針でよかったのだと思います。
人事側が何もしていないのに根づいているのは1on1だけかもしれない
――2022年3月以降は、全社底上げや先達者の支援をする「フェーズ4:全社導入ver.2」を実施し、現在は、次世代経営者育成のD-Succeedリーダーシップ強化プログラムに1on1トレーニングを組み込む「フェーズ5:マネジメントアップデート」の段階に入っていると聞いています。皆さんは、1on1の現状をどう見ていますか?
河崎:いまでは、誰もが普通に1on1という言葉を使うようになりました。たとえば、人事部長として実施する昇格面談で、私が新任課長に「どうやって後輩と接していますか?」と質問すると、「定期的に1on1をしています」と答える者が多くいます。これは課長手前のチームリーダークラスが、自主的に1on1を実践している証拠です。一方で40代半ばから50歳前後のマネジャーたちも、従来型のマネジメントを改め、部下に寄り添う姿勢を強めています。彼らにとって、1on1は部下と一緒に仲良く働くために欠かせないツールになっているようです。1on1は大和ハウスの現場にすでに広く浸透しており、ベテランから若手まで主体的に行っているのです。
池田:対話の質に関してはまだバラツキが見られますが、河崎が語ったとおり、1on1が社内で当たり前になったことは間違いありません。全社導入した当初、疑心暗鬼のマネジャーが少なくなかったことを考えると、感慨深いです。
菊岡:面白いのは、いまは人事側が何も管理や指示をしていないのに1on1が社内に根づいている、という事実です。私たちは、1on1を人事制度にしませんでした。1on1を定期的に実施したり、実施を報告したりする義務は一切ありません。社内に1on1担当者なども設置していません。上司は1on1を実施したら日報に記録する、という最低限のルールを設けているだけなのです。それにもかかわらず、1on1はいまも全社のいたるところで行われています。枯れてしまうのではないかと心配していましたが、その可能性は低いでしょう。
これは不思議なことで、少なくとも大和ハウスではこれまでになかった現象です。私たち人事側は過去にさまざまな取り組みを行ってきましたが、それらを長く続けるためには、上からドンと落として報告を求めたり、制度や仕組みにしたりする必要がありました。そうしない限り、すぐに立ち消えて、1~2年後には忘れられるのが普通だったのです。人事側が管理せず、制度や仕組みにもしないまま手放して、その後も社内に根づいているのは、もしかしたら1on1だけかもしれません。これはすごいことです。1on1は、それだけいまの大和ハウスに必要なツールなのです。
上司側の対話力がさらに高まれば、人間関係も部下の業務の質も良くなっていくはずだ
――今後の展開についてはどのように考えていますか?
池田:今回のプロジェクトを通じて、大和ハウスのマネジャーは皆、部下への愛情を根底に持っていることを確認できました。ただ、愛情の表現方法は、時代に合わせて変えなくてはなりません。部下を叱ることが難しくなったいま、1on1は上司の愛情を伝えるために欠かせないツールとなっています。今後、上司側の対話力がさらに高まり、自分の考えや想いをもっと上手に伝えられるようになれば、職場内の人間関係も、部下の業務の質も良くなっていくでしょう。
河崎:上司の1on1スキルが高まれば、部下の人事評価への満足度もより高まるはずです。何よりも、私としては、せっかく職場で同じ時間を共有しているのだから、皆に仕事を楽しくやってもらいたい。1on1は、上司・部下が楽しく前向きに働くためのツールとして、今後も有効だと考えています。
菊岡:従来の大和ハウスでは、トップダウンの一方通行のコミュニケーションが珍しくありませんでした。私たちは1on1を導入することで、その一方通行のカルチャーに一石を投じることができた、何らかの変化を起こすことができました。ただ、池田が語ったとおり、1on1の質を高めれば、さらなる進化を生み出せることも確かです。冒頭でお伝えしたとおり、私たちは次世代経営者育成を解決すべき課題の1つに置いています。その意味でも、D-Succeedリーダーシップ強化プログラムに1on1トレーニングを組み込めたのは意義のあることでした。
中川:私はいま、グループ会社である大和エネルギーの管理本部 次長 兼 総務人事グループ グループ長を務めています。大和エネルギーでも、1on1を展開することでカルチャーを変革できるのではないかという感触があります。役員のなかには、すでに自主的に1on1を行っている者もおり、展開は十分に可能でしょう。今後、1on1も1つの手段として活かしながら、大和エネルギーの組織開発を進めていこうとしています。
ToBeingsが私たちの能力向上を支援してくれたから、いままでと違う形の組織開発を実践できた
――最後に、皆さんが感じるToBeingsの特徴と、私たちを選んでいただいている理由を教えてください。
中川:ToBeingsのコンサルティングは、単なるコンサルティングではなく、組織開発プロジェクトの実践を通して、人事の私たち一人ひとりに自然と稽古をつけてくれている感じでした。結果的に、私たちは組織開発の基本能力を実地で醸成できたのです。その後は、私たちが本当に困っているときには全力で助けてくれるのですが、いつもは稽古で高めた力を自ら発揮し、困難を乗り越えることを求められました。それがToBeingsの支援の形なのです。
池田:ToBeingsは、「主役はあくまでも大和ハウスだ」と考える人たちです。プロジェクトの最中、私たちはToBeingsから、「皆さんはどうしたいのですか?」と、自分たちの存在価値や存在意義を常に問われていました。そうやって自分たちを鍛えてくれたからこそ、いままでと違う形の組織開発を実践できたのだと思います。
河崎:ToBeingsのコンサルティング手法は珍しいもので、だいたいの目的地の方角を教えてくれた上で、コンパスを渡してくれるのですが、そこから先は自分たちで進まなくてはなりません。私は手取り足取り指示されるのが嫌なタイプで、ToBeingsのやり方とは相性が良いと感じています。
菊岡:私は橋本さんと知り合って7年以上経ちますが、コンサルタントにもかかわらず、特定の目的がなくてもいつも楽しくお話しできる稀有な存在です。橋本さんとは、目の前の課題や提案や導入に縛られることなく、そのとき考えるべき本質的な問いについてゆっくり対話できるのです。だからこそ、ともに大事なテーマに行き着けるのです。私にとっては、まさにありがたい相談相手です。