【第1期参加】組織の課題解決に直結する「実践的な学び」の場

「仕事をする上で、そして組織の中で、自分が役に立てることは何か」というモヤモヤを感じ、「組織進化プロセスファシリテーター養成講座」に参加された方がいます。経営企画に携わる、鈴木太郎(仮名)さんです。キャリアの折り返し地点を迎え、自分自身を見つめ直そうと考えた背景について、詳しく伺いました。

鈴木太郎(仮名)/ 経営企画部門 チームリーダー

経営企画部門に所属し中期経営計画・年次方針策定や、会議体運営などを担当。業務改革をはじめ、組織改革、コミュニケーション改革にも取り組んでいる。

――――まずは講座を受講してみて、率直にどう思われましたか?

まず、極めて実践的で良いなと感じました。「組織開発について学ぼう」となると、本を読んだり、ネットで検索したりして分かった気になって終わりませんか?あるいは「ちょっとセミナーに参加しよう」「大学院で講座がある」なんて調べて参加して、理論ばかりを吸収して満足…そんなふうに、理論を学ぶスタイルが多いと思っていたんです。

ところが本講座は、理論は事前動画で済ませ、講座そのものは実践形式で進みます。実際の組織内でのやり取りを想定したロールプレイング体験をしたり、実務に活かせるヒントをいただいたりできて、充実していました。

――――受講後にお仕事に活かせた部分はありましたか?

元々はコンサルタントして仕事に取り組んでいましたが、実はそれまで、組織開発的な視点を持ったことはなかったんです。受講のきっかけも、「組織をよりよくするために、全社プロジェクトを立ち上げよう」との経緯があり、コーディネーター役を担ったことにありました。最初は「さて、どうしたものか」と感じていましたが、講座を通じて得た学びをすぐに活かせたので、手応えがありました。

例えば、以前の会議では、なんでも自分で巻き取って進めていましたね。全体を俯瞰して見ながら、コンサルタント視点全開で接していました。それが、まずは参加しているメンバーの現在地を知り、1歩引いて出てくる意見を待てるようになりました。

さらに「コンテントとプロセス【※】」という概念に、非常に納得できました。「この会議は何を目指しているのか、コンテントを見つめるだけでなくてプロセスも合わせて、考えよう」という姿勢で臨むと、うまく進むようになりました。メンバー1人ひとりが自ら意見を述べるようになって、大きな変化がありましたね。

【※注釈】
コンテント…組織の中で実際に目に見えている課題・情報のこと。
プロセス…表には現れていない組織内の関係性や、個人の感情が水面下でどのように影響を与え合っているかということ。

そうした体験を経て改めて感じたのが、「この講座は組織開発・組織進化の領域からのニーズ以外にも、対応できるのでは?」という点です。「会議がリモートになった。うまく進められるだろうか?」「沈黙が怖くて焦る」…そんな、社内コンサルのようなポジションにいる方々にも、役立つ内容だと思います。組織の主役は社員であるはずなのに、いつの間にか受け身になってしまって、どこか人ごとのように傍観している。そんな構図が、たくさんあるんですよ。うまくコミュニケーションを取りながら、成功に向けてどうアプローチするのかが難しいですよね。

――――なるほど。コミュニケーションの取り方に変化はありましたか?

そうですね。以前から、自分のコミュニケーションスタイルに自信がなかったんです。言いたいことが伝わっていないような、そんな感覚がありました。また人の話を聞いているようで、あまり聞いていなかったりしました。

しかし講座を通じて、自分がどういう状況下でコミュニケーションを取っていたのかという視点を得ることができました。「相手の状況の背景を理解し、発言の意図を汲み取ろう」と思えるようになったんです。そうなると、日々のちょっとしたコミュニケーションも円滑になっていきました。相手とチャンネルを合わせて、コミュニケーションを取ろうとすることを大切にしたいですからね。

やっぱり、組織人である前に、我々は1人の人間です。仕事ではキャリアの話ばかりしていても、その人個人に目を向けるようにしたいなと思うようになりました。みんなそれぞれのhappinessを感じているはずで、そこに意識を受けたコミュニケーションが取れるようにしたいんです。

――――ともに学んだ受講者同士の関係性も素敵でしたね。

たった3日間でしたが、いろいろな立場の、普段はまったく接点のない方々と知り合えたことは大きな意味がありました。より学びが深まり、頭が柔らかくなりましたね。異なる業界、業種で働いているのに、「意外と共通する悩みを持っているんだな」という発見もありました。

深い対話をする時間があるからか、短期間でリモート参加でも腹を割って話せる関係になれたのも、嬉しい収穫でした。きっと深い関係を築ける場だったんでしょうね。

――――最後に、社内でコンサルタントと同様のポジションで、組織と向き合い、悩んでいる方にメッセージをお願いします。

今、あなたが抱えている悩みは、もしかしたら誰もが感じている悩みかもしれませんよ。その答えは、もしかしたら社内ではなく、社外で見つかるかもしれません。そんなふうに声をかけてみたいです。

そのためには、今の自分を一歩引いた目で、少し遠くから見ることをおすすめします。本講座に参加してみて、同じ立場の仲間と対話を重ねながら、多様な視点で振り返ってみる。すると解決の糸口がつかめるのではないでしょうか。

【まとめ】

得た学びを持ち帰り、すぐに実践しながら活用していただいている様子が伝わってくる取材となりました。印象的だったのが「組織人である前に、我々は1人の人間なんだ」という言葉。自らの在り方も含め、想いの強さが、伝わってきます。

特にコンサルタントは外部要員として迎えられ、大きな変化をもたらしてくれるかもしれないと期待される存在です。しかし、「すごく変わった」と心から実感できる変化は、自身の内側から沸き起こってくるものではないでしょうか。

コンサルタントに課せられている期待に応えるためには、変化を望む1人ひとりの内面に目を向けていく必要があるのかもしれない。そんな気づきが滲んでいるように感じました。

Interviewer 丹羽 妙(弊社広報)
Writing 林 美夢(ライター)

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